Atelier Kyoto Nishijin(アトリエキョウトニシジン)で扱っている商品は京都の西陣織の織物を使用しています(一部革製品もあり)編み物と混同されてしまう場合があるようですが、二つの明確な違いは糸を経糸・緯糸と分けて一段づつ組んでいく織物と経糸と緯糸という概念がない一目づつ結び目を作っていく編み物となります。
ここでは私たちの使用している織物について少し説明したいと思います。
目次
織物とは?
織物(おりもの)とは、糸を縦横に組み合わせて作った布地である。織物を作ること、あるいはその織り方や風合いを織り(おり)といい、完成した製品(織物)も技法や産地を冠して「〜織」(おり)というものが多い。漢字では伝統的に植物繊維による織物を「布」、絹織物を「帛」といい、両者をあわせた布帛(ふはく)も織物を指すことばである。また、織物は英語風にテキスタイルまたはテクスタイル(英語:textile)とも呼ばれる
*Wikipediaより
西陣織という織物があるのではなく、京都の西陣地区で織られた織物なので「西陣織」という訳です。正絹以外の素材を使っても西陣織ですし、正絹を使っても別の地域で織られれば~織と呼ばれます。
織物には大まかに分けて手機(てばた)で織る手織りと、織機(しょっき)を使って織る機織(はたおり)の二種類がありますが、私たちAtelier Kyoto Nishijin(アトリエキョウトニシジン)で使用している西陣織は全てジャカード織機で織られた機織物です。
*良く日本の表記で「ジャガード」と表記されている場合がありますが、厳密に言うと間違いで正しくは「ジャカード」です。元々ジャカード織機は英語表記でもjacquardと表記され語源の由来はフランス人のジョセフ・マリー・ジャカールさんが考案した紋織機械の事なのです。ジャガードでも通じるのでもはや間違いではないと思いますが念のため。
織りの基礎
*私たちの機屋の織機画像です、無断転載禁止
織物の基本は経糸(たていと)を平行に張り(上画像参照)、その間に緯糸(よこいと)を通して様々な文様を織る技法です。経糸が上下に動き、その隙間に緯糸が通るイメージです。経糸が上下する順序によって異なる組織が表現されていきます。織物の基本的な組織は平織・綾織・繻子織とあり、織物の三原組織と呼ばれます。
織物の三原組織
平織(ひらおり)
非常にシンプルな織り方です、経糸・緯糸が交互に組まれる編み方で出来上がる組織は左右対称になり、丈夫で比較的摩擦に強い生地になります。特に二本・もしくは数本を引き揃えで織ったものは斜子織(ななこおり)と呼ばれています。バスケット織と言えばピンとくる方が多いのではないでしょうか。
綾織(あやおり)
経糸が2本もしくは3本の緯糸の上を通過した後に、1本の緯糸の下に経糸が潜る織り方です。何本通るかによって斜めの線の角度に違いが出ます。比較的緯糸が表面に多めに出るので、平織に比べると摩擦に弱いですが、素材の特徴が良く感じられる風合いに仕上がります。特にシルクを使った西陣織などはシルク本来の光沢もあり、非常に艶が美しい織物に仕上がります。
ジーンズのデニムなんかは綾織の組織です。
繻子織(しゅすおり)
*ちょっと良い生地の画像が無かったので申し訳ありません、上の画像は経糸の繻子織にドットの繻子織が乗った生地になります。本当は無地があれば良かったのですが。
繻子織(朱子織とも表記されます)とは表面に経糸・緯糸とも5本以上連続して出ている織物の事です。糸が表面にベッタリ出ているように見える為、非常に光沢が美しく出ますが、糸の引っ掛かりには弱く取り扱いには注意が必要です。サテン地をイメージして頂くと判りやすいと思います、あれも繻子織の非常に光沢が美しい、ドレスなどに良く使われる生地ですね。
さて以上3つが織物の基本となる織組織の紹介でした。他にも色々と織組織はあるのですが、全て基本の織組織からの派生と捉えて貰って構わないと思います。また柄の途中で組織変化させるなどは良くある技法です。
綾織の変化組織「杉綾」に繻子織を乗せた柄です。見た目にも変化がありますし、触った感じも一つの組織で織り上げるより凹凸感が出て、生地に立体感を出す事が出来るようになります。複雑な組織変化を付ければ付けるほど職人の織技術が必要になります。
京都の西陣織を使ったお洒落な和雑貨ブランド
Atelier Kyoto Nishijin(アトリエキョウトニシジン)では京都の伝統工芸である西陣織を使ったお洒落な和雑貨をお届けしています。和装から洋装と渡り歩いてきた経験から、伝統工芸を生まれ変わらせて、より身近に感じて頂けるような素敵な和雑貨を生み出しています。
「ちょっぴりお洒落」をコンセプトの一つにこれからも素敵な和小物をお届けしたいと思っています。